令和5年度兵庫県生物学会東播磨支部研修会報告 テーマ:「虫の冬越しの様子」
実施日時:令和6年3月20日(水)午前10:00~12:00
場所:やしろの森公園
講師:西本裕、北村健
参加者:会員(4)(講師を含む)、生徒(5)会員外(2)の11名
内容:
①先ず、西本裕講師から竹筒の中に営巣するハチについての説明を受ける。
調査に用いるトラップについてメダケを用い、一端が節で閉じた太さの異る竹筒を簾のように束ね、雨が入らないように開口部を少し下げて吊るしておくだけ。
おおむね筒のサイズと営巣するハチのサイズは比例している。
この方法の利点
ハチの種類によって狩る虫が異なっているので狩られた虫からハチの種類が絞られる。
また、寄生蜂などとの関係もつかみやすい。希少種のキイロゲンセイがこの方法で採集できた。寄生蜂の中には狩蜂の巣に潜り込んでカッコウの托卵のようにエサを乗っ取るタイプがある。
そのやり方に、親バチの出かけている間に卵を産み付けるタイプと、仕切りの泥壁を破って侵入して卵を産み付けるタイプがある。
②続いて、北村から虫の冬越しのタイプについての説明
同じ虫の仲間でも種によって卵、幼虫、さなぎ、成虫のいずれで越冬するかが決まっていることを紹介した。
その後、枯れ竹を割って越冬中のベニカミキリの幼虫や成虫を見つける実習を行った。さらに、エノキなどの朽木を割ってタマムシの幼虫やクワガタの幼虫を見付ける実演を行った。
枯れ竹を割る実習 現れたベニカミキリ幼虫